検索広告のキーワードマッチタイプは広告運用において重要です。
2,024年3月時点では以下のキーワードマッチタイプとなっております。
- 完全一致
- フレーズ一致
- インテントマッチ(部分一致)
それぞれのマッチタイプの特性を理解し運用することが大切です。
この記事では主に「部分一致」について説明します。
Googleでは自動入札と部分一致の運用を推奨してますが、何も考えずに部分一致で運用してしまうと広告費が無駄にかさばりCPAが高騰してしまうこともあります。
この記事を読むことによって部分一致の特性を掴みCV数・CPAの改善につながります。
部分一致とは
部分一致とは指定したキーワードに関連する語句を拾い、語句の順序も関係なく拾うマッチタイプです。
そのため、幅広いクエリを拾うことができます。
メリットは、自分の予想やキーワードツールなどで調べた以外のキーワードでコンバージョンが発生することがあります。
デメリットはビジネスに関係ない、表示してほしくないクエリでも広告が表示されてしまうことも起きます。
部分一致のシグナル
パフォーマンス向上のために 考慮されるシグナル | キーワード | LPの内容 | 過去の検索 | ユーザーの位置 | 広告グループに含まれる 他のキーワード | 見込まれる パフォーマンス |
---|---|---|---|---|---|---|
部分一致 | ||||||
完全一致・フレーズ一致 | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ |
Google広告の部分一致のシグナルは完全一致やフレーズ一致よりも多いシグナルが利用されます。
部分一致に使われるシグナル
- キーワード
- LPの内容
- 過去の検索
- ユーザーの位置
- 広告グループに含まれる他のキーワード
- 見込まれるパフォーマンス
フレーズ一致と完全一致のシグナルは、
フレーズ一致と完全一致のシグナル
- キーワード
- 見込まれるパフォーマンス
のみとなります。
したがってフレーズ一致や完全一致より高いパフォーマンスが見込める場合があります。
部分一致を使用する際の注意点
部分一致をキーワードとして設定する場合は「抽象度」に気をつけましょう。
例えば、スポーツ用品店でメインの商材は野球、サッカー、ゴルフだとします。
そこで「スポーツ用品」をキーワードとして部分一致で登録してしまうとテニス用品などあらゆるスポーツ用品や筋トレ用具などあまり取り扱っていない商材も表示される場合もあります。
場合によっては除外キーワードの数が膨大になるでしょう。
この場合のおすすめとしては一段階具体度を上げて「野球 グラブ」「野球 用品」「ゴルフ クラブ」などの部分一致キーワードにしたほうがいいケースもあります。
そもそも、ありとあらゆるスポーツ用品を扱っていれば、「スポーツ用品」のキーワードもありです。
部分一致キーワードを使用する場合は検索ボリュームと抽象度を意識するといいです。
逆に、運用状況が頭打ちであれば抽象度の高いキーワードを追加して新たな検索語句を見つけることができるかもしれません。
自動入札と部分一致を併用
部分一致は目標コンバージョン単価、コンバージョン数の最大化やコンバージョン値の最大化、目標広告費用対効果の自動入札を使用する場合に用いると効果的です。
状況にもよりますが、部分一致を使用している場合で「クリック数の最大化」や「目標インプレッション シェア」の自動入札ですと設定によってはあまり効果のないキーワードで予算を消費してしまう場合があるので注意しましょう。
除外キーワード
部分一致のデメリットとして、表示したくないクエリも広告として表示されてしまうことが多々あります。
その場合は除外キーワードで除外していきましょう。
明らかに関係ない単語であれば、部分一致の除外。2語以上の特定のフレーズを表示させたくない場合はフレーズ一致。
特定のフレーズでそれだけ表示したくない場合は完全一致など状況に合わせて除外キーワードを追加していきます。
とはいえ、運用中に自分では関係ないと思っていたクエリでCVが結構つく場合もあるのでよほど関係ないキーワード以外なら少し静観してみるのもいいでしょう。
除外キーワードは部分一致を使う場合の肝と言えるかもしれません。意外と除外キーワードを登録していない場合があるのでこれだけでCPAやCV数が改善できる見込みがあります。
除外キーワードは泥臭い作業ですがこまめにやるとかなり運用結果が変わります。
リバウンドを制するものはバスケを制すのように、除外キーワードを制するものはリスティング広告を制すといっても過言ではないかもしれません。(過言か)
関連記事:初心者でもわかる!Google広告の除外キーワード設定ガイド
部分一致のメンテナンス
部分一致は非常に便利なキーワードです。
Googleの管理画面では最適化案ですべて部分一致にしましょうとおすすめされることがありますが注意が必要です。
個人的な見解ではありますが、「最適化案」はあくまでも最適化案なので状況によっては最適化案を上げてもコンバージョンが増えない場合もあります。
最適化案を上げると基本的には広告消費が増える傾向にあるので予算が青天井であれば最適化案どおりにすすめるのも一つの手です。
また、広告カスタマイザやキーワード挿入機能を使うのであればできる限り検索語句(クエリ)をコントロールしたほうがいい場合があります。
キーワード挿入機能の例で言えば、「スポーツ用品」のキーワード部分一致で「テニスラケット」というクエリで広告を表示した場合、広告のキーワード挿入機能はキーワードとして設定した「スポーツ用品」と表示されます。
「テニスラケット」と表示したい場合は「テニスラケット」のキーワードを登録する必要があります。
商材や運用状況にもよると思いますが、広告運用し始めた初期で、ある程度予算が限られている場合は完全一致とフレーズ一致で入稿して、メインのキーワードを部分一致で登録します。
売上が伸びて予算も増えたなら徐々に部分一致キーワードを広げていくといいかもしれません。
さらに部分一致で拡張されたクエリをまた部分一致(ケースによっては完全一致)で追加していくといいでしょう。
こまめに除外ワードの追加ができて、予算も余裕があるならすべてのキーワードを部分一致にするのもありです。
部分一致は非常に強力ですがある程度完全一致やフレーズ一致もうまく使った方がCPAが下がる場合もあります。キーワードによっては部分一致でCPAが高騰してしまう場合もあります。
部分一致でCPAが高騰してしまう場合は除外キーワードを追加・もしくはマッチタイプを変更する方法があります。
補足:マッチタイプについて
最近では完全一致やフレーズ一致でもキーワードの拡張があります。
完全一致は小程度の拡張、フレーズ一致は中程度の拡張、部分一致は広範囲の拡張となります。
最近では拡張度合いは徐々に強くなっている感じも見受けられます。
実際の検索語句をこまめに確認するのがおすすめです。
部分一致のまとめ
絞り込み部分一致が廃止になったこと、自動入札が当たり前になってきた昨今部分一致は非常に強力なマッチタイプです。
うまく使えばCV数やCPAが改善されます。
- クエリが拡張される
- 意図しないお宝キーワードが拾える
- 関係ないキーワードも拾う
- 除外キーワードの追加
- 全部を部分一致にするのは注意が必要
- 部分一致は基本的には自動入札で運用
- 部分一致で拾えたお宝検索語句をキーワードに追加
です。
まだ完全一致やフレーズ一致のみで運用していて伸び悩んでいる方は部分一致を導入してみるといいでしょう。拡張クリック単価の廃止もあり、今後は自動入札がメインとなります。
そのため、今後より部分一致をうまく活用できる運用方法が求められます。
2023年6月に検索広告のブランド制限の機能も追加されて部分一致キーワードが使用しやすくなっている背景もあります。
以下の記事で紹介しております。