変更内容でいつから使えなくなる?
2024年10月より、検索広告とディスプレイ広告の新しいキャンペーンでは、拡張クリック単価(eCPC)を選択することができなくなります。
既存のキャンペーンで拡張クリック単価を使用している場合は、2025年3月まではそのままご利用いただけますが、それ以降はすべて個別クリック単価入札戦略に自動的に移行されます。
ディスプレイ広告で「クリック数の最大化」を利用しており、「拡張クリック単価」が有効になっている場合、特別な対応は不要です。2025年3月以降、キャンペーンは自動的にクリック数の最大化入札戦略として運用されます。
現在でも拡張クリック単価で運用している方、アカウントの初期段階でコンバージョンを拡張クリックでためて、自動入札に移行している方は今後は注意が必要ですね。
拡張クリック単価終了の背景
約10年前、Googleの最初のスマート自動入札戦略として「拡張クリック単価(eCPC)」が導入されました。
それ以来、Googleは機械学習を活用したより高度な入札戦略として、目標コンバージョン単価を任意で設定できる「コンバージョン数の最大化」や、目標広告費用対効果を設定できる「コンバージョン値の最大化」などを提供してきました。
現在、機械学習の精度も上がっており「コンバージョン数の最大化」といった高度な入札戦略は、「拡張クリック単価」と同等またはそれ以上の成果を上げることが可能とのこと。
したがって、検索広告とディスプレイ広告のキャンペーンにおける拡張クリック単価の提供を終了することとなったようです。
というのが表向きですが、よりお金を使ってもらう、広告のオークションを増やしたいといった部分もありそうですね。今回の変更で平均クリック単価などの変動がないかどうかも注視したいところです。
拡張クリック単価の廃止に伴う注意点
ここでは拡張クリック単価の廃止による注意点をまとめました。
新しい入札戦略への移行
自動入札は新しい戦略に合わせて徐々に調整されます。
移行期間中はパフォーマンスを注意深くチェックし、変動を最小限に抑えることが重要です。
必要に応じて、予算や目標を調整し、費用対効果を管理していくことが重要となります。
自動移行のスケジュールについて
2025年3月16日以降、拡張クリック単価を引き続き使用している検索キャンペーンおよびディスプレイキャンペーンは、自動的に「個別クリック単価(CPC)」に移行されます。
自動入札の種類や特徴
ここで現在拡張クリック単価のみで運用しているかたのために、Google広告の自動入札の種類や特徴を簡単にまとめてみました。
- クリック数の最大化
- 目標インプレッションシェア
- 目標コンバージョン単価
- 目標広告費用対効果
- コンバージョン数の最大化
- コンバージョン値の最大化
クリック数の最大化
クリック数の最大化は、自動入札戦略の一つで、クリック数を増やすことを目的としたシンプルな方法です。
1日の平均予算を設定するだけで、その予算内で可能な限り多くのクリックを得られるように、入札単価が Google 広告システムによって自動で調整されます。
上限クリック単価も指定することができます。
今までは「拡張クリック単価」でコンバージョン貯まる→「コンバージョン数の最大化」などの自動入札の流れが多かったですが、「クリック数の最大化」→「コンバージョン数の最大化」なども増えてきているようです。
目標インプレッションシェア
目標インプレッションシェアでは、Google 検索結果ページの最上部や上部、または指定した場所に広告が表示されるように、入札単価が自動で調整されます。
コンバージョンを取りによりかは認知促進や費用はかかってもいいから広告を狙った場所に出したいときに使用される自動入札です。
目標コンバージョン単価
目標コンバージョン単価(CPA): コンバージョンを最大化する際に、特定のコンバージョン単価を目標として設定し、CV単価を維持しながらコンバージョン数を増やすことができます。
拡張クリック単価から目標コンバージョン単価の流れも非常に多いと思われます。
現在はコンバージョン数の最大化を設定して任意で目標コンバージョン単価を設定するようになっています。基本的には目標コンバージョン単価を設定するのをおすすめします。
また、拡張コンバージョン時と同じコンバージョン単価か気持ち高いくらいがいいかもしれません。
安定したら少しずつ下げたり調整するのがおすすめです。また、目標コンバージョン単価を下げたり上げたりする場合は現在の数値から10%以内にしておくと大きく変動がでにくいです。
コンバージョン数の最大化
コンバージョン数の最大化:は特定のコンバージョン単価を目標とせず、コンバージョン数を優先して予算を最大限に活用したい場合は、この戦略を使用できます。
現在はコンバージョン数の最大化を設定して、その上で目標コンバージョン単価を設定する形です。
前述しましたが、基本的には目標コンバージョン単価を設定しましょう。
特に初期の段階は目標コンバージョン単価を設定しておくことをおすすめします。
数年前なので、今はないかもしれませんが目標コンバージョン単価を設定せずにコンバージョン数の最大化で運用したところ、平均クリック単価300~500円前後のキャンペーンでいきなりクリック単価10,000円という入札を行い、CVも取れなかったということがありましたので。
コンバージョン値の最大化
「コンバージョン値の最大化」は、特定のROAS目標に縛られることなく、総コンバージョン数を最大化することを目的とした入札戦略です。
目標広告費用対効果(ROAS)
目標広告費用対効果(ROAS)は、コンバージョン値を最大化しながら、特定の広告費用対効果を達成したい場合に使用する最適化戦略です。
自動入札でコンバージョン値を選択すると「目標広告費用対効果」を任意で設定できます。
2024年10月以降の新規キャンペーンの運用
コンバージョンをトラッキングしている場合
- コンバージョン数の最大化
- コンバージョン値の最大化
がGoogleのおすすめとのこと。
CVトラッキングなし、CV目標を設定していない場合
- クリック数の最大化
を検討してくださいとのことです。
状況によってはクリック数の最大化がCV多く取れる場合もありますし、目標インプレッションシェアなどもあるのでうまくケースによって最適な運用方法を見つけるのがいいでしょう。
拡張クリック単価の終了についてのまとめ
Googleが拡張クリック単価終了とのことなのでYahoo広告も近いうちにYahoo広告の拡張クリック単価もなくなりそうです。
絞り込み部分一致と拡張クリック単価でだいぶお世話になった時もあり、一つの時代が終わってしまう寂しさもありますね。
とはいえ、Google広告は今でもうまく使えば非常に重要なマーケティング要素なので自動入札とうまく付き合って結果を出していくのがいいのではないでしょうか。
2024年10月に予定されている変更内容まとめ
- 新規設定の不可
- オプションの削除
- 既存ユーザーの猶予期間
新規設定の不可
検索広告およびディスプレイ広告で、拡張クリック単価(ECPC)の入札戦略を新たに有効にすることができなくなります。
オプションの削除
拡張クリック単価を無効にしている既存のキャンペーンでは、拡張クリック単価のオプションが削除されます。
既存ユーザーの猶予期間
現在拡張クリック単価を使用している既存のキャンペーンは、2025年3月まで引き続き利用可能です。
今まで拡張クリック単価をメインで扱っていた場合は、完全一致やフレーズ一致のマッチタイプを使っている場合が多いと思います。
今後は自動入札がメインとなるので部分一致の運用をメインにすると効果が見込めると思います。
『【Google 広告】部分一致とは?シグナルの性質や使い方について解説』という記事で部分一致について説明しているので自動入札に移行する際の参考になれば幸いです。
参考:https://support.google.com/google-ads/answer/2464964?hl=ja