「Claude Code」「Gemini CLI」という名前をよく聞くようになったけれど、「そもそもターミナルって何?」「コマンドを打つなんて自分には無理」と感じていませんか。この2つのツールは、最初の準備さえ済ませてしまえば、あとはAIと日本語で会話するだけで使えます。
この記事では、ターミナルを一度も触ったことがない方でも迷わないように、インストールから最初のお願いごとまでを、コピーして貼り付けるだけで進められる形で解説します。Mac・Windowsの両方に対応し、出てくる専門用語もその場で説明します。
この記事でわかること
- ターミナルとは何か、どうやって開くか
- Claude Code・Gemini CLIのインストールとログインの手順
- パソコンの中のファイル(CSVなど)をAIに読ませて分析してもらう方法
- 初心者がつまずきやすいエラーと対処法
- APIキーや会社のデータを扱うときの注意点
なぜ非エンジニアがターミナルのAIを使うと便利なのか

CLI(Command Line Interface)とは、マウスではなく文字を入力してパソコンを操作するしくみのことです。Claude CodeやGemini CLIは、このCLIでAIを使うためのツールです。
ブラウザのChatGPTとのいちばんの違いは、パソコンの中のファイルを直接読み書きできることです。毎回ファイルをアップロードしなくても、フォルダに入っているファイルをAIがまとめて読み、結果をファイルに保存するところまで任せられます。たとえば次のような使い方ができます。
- ブログの記事一覧CSVを読ませて、テーマの偏りや重複している記事を洗い出す
- Search ConsoleやGoogle広告から書き出したCSVを読ませて、日本語で週次のまとめを作る
- フォルダにある複数の資料や原稿をまとめて読ませて、要約や校正を頼む
- 結果を「analysis.md」などのファイルに保存してもらい、そのまま共有する
実際に打つコマンドは驚くほど少なく、中身は「AIと日本語で会話する」だけです。難しいのは最初のインストールとログインだけで、初めての方でも30〜60分ほど見ておけば、両方が動く状態になります。
ターミナルとは
ターミナル(WindowsではPowerShellなど)とは、キーボードの文字入力でパソコンに命令を出すための画面です。普段使っているFinderやエクスプローラーが「アイコンをクリックして操作する画面」なら、ターミナルは「文字で操作する画面」です。入力した文字はEnterキーを押すまで実行されないので、気軽に触ってみてください。
手順1:ターミナルを開く
Macの場合
- キーボードで
command(⌘)+スペースを押して、Spotlight検索を開きます - 「ターミナル」または
terminalと入力します - いちばん上に出てくる「ターミナル」を開きます
ユーザー名@MacBook-Pro ~ % のような文字が出ていれば成功です。この % や $ のマークを「プロンプト」と呼び、「ここに命令を入力してください」という合図です。
Windowsの場合
Windowsには複数の選択肢がありますが、初めての方にはPowerShellをおすすめします。
- スタートボタンをクリック
powershellと入力- 「Windows PowerShell」を開きます(インストールでエラーが出る場合は、右クリックして「管理者として実行」)
手順2:Node.jsをインストールする
Claude CodeもGemini CLIも、Node.js(ノードジェイエス)というソフトの上で動きます。Node.jsを入れると、一緒に npm も入ります。npmは、スマホでいうApp Storeのようなもので、公開されているツールを1行のコマンドで自分のパソコンに入れられるしくみです。Node.jsはバージョン20以上を入れてください。
Mac・Windows共通:公式サイトから入れる
- ブラウザで https://nodejs.org/ を開きます
- 「LTS(推奨版)」と書かれたボタンからダウンロードします
- ダウンロードしたファイル(Macは
.pkg、Windowsは.msi)をダブルクリックし、案内どおり進めます。設定は初期のままでかまいません - インストールが終わったら、ターミナル(PowerShell)を一度閉じて開き直します
開き直したら、次のコマンドを貼り付けてEnterを押します。
node -v
v20.x.x のようにバージョンが表示されれば成功です。「見つかりません」と出る場合は、ターミナルを開き直すか、パソコンを再起動してください。
Macでパッケージ管理ツールのHomebrewをすでに使っている方は brew install node@20 でも入れられますが、初めての方は公式サイトからで十分です。
手順3:Claude Codeをインストールする
Claude Codeは、Anthropic社のAI「Claude」をターミナルから使うための公式ツールです。Mac・Windows共通で、次のコマンドを貼り付けてEnterを押します。
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
-g は「パソコンのどこからでも呼び出せるように入れる」という指定です。数十秒〜数分で終わり、プロンプトが再び表示されます。
初回の起動とログイン
claude
初回はログイン方法を聞かれます。ブラウザが開いてAnthropicのアカウントにログインする方法と、APIキー(APIを使うためのパスワードのようなもの)を貼り付ける方法があります。画面の案内に従って進めてください。
APIキーを使う場合は、Anthropic Consoleにログインし、「API Keys」→「Create Key」で作成した sk-ant- で始まる文字列をコピーします。APIの料金は使った分だけかかる従量課金なので、使いすぎを防ぐために月の上限額を低めに設定しておくと安心です。
APIキーは誰にも見せない
APIキーはアカウントの請求と直結しています。他人に共有したり、SNSやチャット、共有フォルダに貼ったりしないでください。漏れると第三者に使われ、高額な請求が届くおそれがあります。漏らしてしまったら、すぐに同じ画面からそのキーを無効化(Revoke)してください。
ログインが終わると入力欄が表示されます。試しに次のように打ってEnterを押してみましょう。
こんにちは。あなたは何ができますか?
Claudeから自己紹介が返ってくれば成功です。ここまで来れば半分以上終わっています。
手順4:Gemini CLIをインストールする
Gemini CLIは、Google社のAI「Gemini」をターミナルから使う公式ツールです。Googleアカウントでログインするだけで、無料枠の範囲で使い始められます。
npm install -g @google/gemini-cli
ログイン方法
方法A:Googleアカウントでログインする(手軽)
gemini
初回はブラウザが開き、Googleアカウントでのログインを求められます。ログインすればすぐに使い始められます。
方法B:APIキーを使う(業務データを扱うならこちら)
- Google AI StudioにGoogleアカウントでログインします
- 「Get API key」→「Create API key」でキーを作り、コピーします
- ターミナルで次のように設定します
Macの場合:
export GEMINI_API_KEY="ここにコピーしたキーを貼る"
Windows(PowerShell)の場合:
$env:GEMINI_API_KEY="ここにコピーしたキーを貼る"
この設定はターミナルを閉じると消えます。毎回使う場合の設定方法は公式ドキュメントを参照してください。設定できたら gemini で起動し、「こんにちは。自己紹介してください。」と話しかけて返事があれば完了です。
手順5:作業するフォルダに移動する
ターミナルのAIは「起動した場所にあるファイル」を読みにいきます。そのため、読ませたいファイルが入っているフォルダに移動してから起動するのがいちばん大事なポイントです。ターミナルの世界では、フォルダのことを「ディレクトリ」と呼びます。
ここでは例として、ブログの記事一覧をスプレッドシートからCSVで書き出し、ダウンロードフォルダの中に blog-analysis というフォルダを作って入れたとします。
Macの場合
cd ~/Downloads/blog-analysis
cd は「Change Directory(フォルダを移動する)」の略です。~ は自分のホームフォルダを指します。今いる場所を確かめるには pwd、フォルダの中身を見るには ls を使います。
Windowsの場合
cd C:\Users\あなたのユーザー名\Downloads\blog-analysis
今いる場所は pwd、中身の一覧は dir または ls で確認できます。ZIPファイルで受け取ったデータは、右クリック→「すべて展開」で展開してから、そのフォルダに移動してください(Macはダブルクリックで展開されます)。
いちばん多い失敗
ホームフォルダにいるまま「CSVを読んで」と頼むと、AIはファイルを見つけられません。必ず cd で移動してから claude や gemini を起動しましょう。
手順6:実際にお願いしてみる
例1:ブログ記事一覧の分析(Claude Code)
claude
起動したら、次のように話しかけます。
このフォルダにある記事一覧のCSVを読んで、次の3点を日本語でまとめてください。
1. テーマごとの記事数と、記事が少ないテーマ
2. タイトルや狙っているキーワードが似ていて、内容が重なっていそうな記事の組み合わせ
3. 次に書くと良さそうな記事のテーマ案を5つ
Claude Codeはフォルダ内のファイルを探して中身を読み、結果を返してくれます。保存したいときは、続けて次のように頼みます。
この結果を analysis.md というファイル名で保存してください。
今いるフォルダに analysis.md が作られます。ファイルを作ったり書き換えたりする前には、AIが確認を求めてくることがあるので、内容を読んでから許可してください。
例2:Search ConsoleのCSVの要約(Gemini CLI)
gemini
このフォルダにあるSearch ConsoleのCSVを読んで、
表示回数が多いのにクリック率が低いクエリを10個挙げ、
それぞれタイトルをどう直すと良さそうか提案してください。
同じ質問をClaude CodeとGemini CLIの両方に投げて、答えを比べるのもおすすめです。終了するときは /exit と入力するか、Ctrl+C を押します。
AIの答えは「下書き」として扱う
AIの分析は便利ですが、数字の読み違えや思い込みが混ざることがあります。気になる指摘は元のデータで確かめてから使いましょう。SEOの作業でAIが得意なこと・不得意なことは「AI SEOとは」で整理しています。
会社のデータを読ませる前に確認すること
ターミナルのAIは、フォルダ内のファイルの中身をAIの提供会社に送って処理します。お客様の情報や社外秘の資料を読ませる前に、次の点を確認してください。
- 学習に使われる設定になっていないか:Gemini CLIを無料のGoogleアカウントで使うと無料枠の扱いになり、送ったデータが改善に使われる可能性があります。業務データにはAPIキー(有料)での利用が向いています
- 社内ルールで許されているか:取引先との秘密保持契約で、外部サービスへの入力が禁じられている場合があります
- 機密を取り除けないか:社名や個人名を「A社」「Bさん」に置き換えるなど、読ませる前に加工できないか考えます
詳しくは「ChatGPTに機密情報を入れても大丈夫?」で、プランごとの違いや社内ルールの作り方を解説しています。
よくあるエラーと対処法
「command not found: claude」「command not found: gemini」
「そのコマンドが見つかりません」という意味で、いちばん多いエラーです。
node -vでバージョンが出なければ、Node.jsのインストール(手順2)からやり直します- インストール後にターミナルを開き直していない場合は、開き直します
- Windowsでは、パソコンを再起動すると解決することが多いです
「Unsupported Node version」
Node.jsが古い可能性が高いです。node -v で v18 以下なら、古いNode.jsをアンインストールしてから、公式サイトのLTS版を入れ直してください。
「Invalid API key」「401 Unauthorized」(Claude Code)
- コピーしたときに前後に空白や改行が入っていないか
sk-ant-で始まっているか- Anthropic Consoleでキーが有効になっているか
- 支払い方法が登録されているか
日本語が「???」と表示される(Windows)
PowerShellで次のコマンドを実行すると、文字コードがUTF-8に切り替わります。
chcp 65001
毎回打つのが面倒な方は、最初からUTF-8で動く「Windows Terminal」というアプリを使うと楽です。
「EACCES: permission denied」(Mac)
インストール先に書き込む権限がないというエラーです。先頭に sudo(管理者として実行する指定)を付けて再実行すると、Macのパスワードを聞かれ、インストールできます。
sudo npm install -g @anthropic-ai/claude-code
sudo は強い権限を与える指定です。内容が分からないコマンドに付けるのはやめましょう。
インストールできたのに動かない
まずパソコンを再起動してみてください。設定の読み込み直しで、多くの場合は解決します。
まとめ
- ターミナル(Mac)またはPowerShell(Windows)を開く
- Node.jsを入れて、
node -vで確認する npm install -g @anthropic-ai/claude-codeでClaude Codeを入れ、claudeでログインするnpm install -g @google/gemini-cliでGemini CLIを入れ、geminiでログインする- 読ませたいファイルのあるフォルダに
cdで移動してから起動し、日本語でお願いする
慣れてきたら、次のような使い方にも挑戦してみてください。
- 記事一覧とSearch Consoleのデータを組み合わせて、リライトの優先順位やトピッククラスターの偏りを洗い出す(手順は「トピッククラスター×AI活用」)
- キーワードの候補リストを読ませて、検索意図ごとに分類する(「AIキーワード選定の実践ガイド」)
- 既存の記事の原稿を読ませて、改善点を出してもらう(「AI記事リライトの実務ワークフロー」)
- よく使う頼み方をテンプレートにしておく(「ChatGPT SEOプロンプト集」の型はターミナルのAIでもそのまま使えます)
よくある質問
プログラミングの知識は必要ですか?
必要ありません。打つコマンドはこの記事に出てくるものだけで、あとはAIに日本語でお願いするだけです。
Claude CodeとGemini CLIはどちらを使えばいいですか?
Googleアカウントだけで手軽に始めたいならGemini CLI、長い文章の分析や整理を任せたいならClaude Code、という選び方が一つの目安です。両方入れて、同じお願いをして比べてみるのもおすすめです。
ブラウザのChatGPTと何が違いますか?
パソコンの中のファイルを直接読み、結果をファイルに保存できる点です。毎回アップロードする手間がなく、複数のファイルをまとめて扱えます。
お金はかかりますか?
Gemini CLIはGoogleアカウントでログインすれば無料枠の範囲で使えます。Claude CodeはAnthropicの有料アカウントやAPIの利用料がかかります。APIを使う場合は、月の上限額を設定しておくと安心です。
SEO・AI検索対策のご相談
「AIを業務に取り入れたいが、どこから始めればいいか分からない」「データの分析をSEOの改善につなげたい」といったお悩みは、ナゾックスにご相談ください。現状を確認し、取り組む順番から具体的にご提案します。
参照:Claude Code 公式ドキュメント
参照:Gemini CLI 公式GitHubリポジトリ
参照:Node.js 公式サイト

