Googleリスティング広告のクリック率(CTR)は、広告が表示されるたびにどれだけのユーザーがクリックしたかを示す指標です。
高いCTRはウェブサイトへの流入増加をもたらし、コンバージョン数やコンバージョン率が上がる効果も期待できます。
したがって、CTRはキャンペーンの効果性を評価するための不可欠な指標となります。
この記事ではGoogle広告のクリック率を上げる9つの方法を解説します。
主にGoogle広告におけるクリック率を上げる方法とし徹底紹介しますが、yahoo検索広告やディスプレイといった他の媒体にも応用できる部分があるので参考にしていただければと思います。
- Google広告のクリック率を上げる方法が知りたい
- クリック率が上がらなくて困っている
- 広告の改善施策を図りたい
といった方におすすめの記事です。
クリック率とは?
クリック率(CTR)は、オンライン広告やWEBマーケティングの効果を測定するための基本的な指標です。
CTRは次の式で計算されます:
(広告のクリック数 / 広告の表示回数) × 100
広告が表示されるたびにどれだけのユーザーがその広告をクリックしたかのパーセンテージが示されます。
例えば、広告が100回表示され、そのうち5回クリックされた場合、CTRは5%になります。これにより、広告が表示されるたびにユーザーがどの程度興味を持ってクリックしているかが分かります。
簡単に言うと、CTRは「広告がどれだけ注目されているか」を示す数値です。
高いCTRは広告の関連性や魅力を示すものであり、ターゲットオーディエンスに効果的にアプローチしていることを意味します。
一方、低いCTRは広告の最適化やターゲティングの見直しが必要である場合があります。
Google広告のクリック率を劇的に上げる9つのテクニック
ここからは記事のメインとなるクリック率を上げる方法を9つ紹介します。
結論から述べますと以下の9つのポイントになります。
- 除外キーワードを正しく設定する
- 見出しや説明文にキーワードを入れる
- キーワード挿入機能を使う
- 地域の挿入機能を使う
- 広告カスタマイザを使う
- 広告のランクを上げる
- レスポンシブ検索広告の有効性を高める
- ABテストを行う
- Chat GPTなどのAIを活用する
順番に解説していきます。
1.除外キーワードを正しく設定する
はじめにクリック率を上げる方法として基本となる「除外キーワードの設定」を行いましょう。
最近では、自動入札戦略と部分一致キーワードをメインに運用している場合が多いと思います。
部分一致キーワードは便利ですが余分な検索語句も拾ってしまい自社の商品やサービスと関係性が低い語句も表示することが多々あります。
なので適切に除外キーワードを登録することにより広告と関係のある検索語句が表示されクリック率が上がります。
また、個人的な意見ですがGoogle広告におけるフレーズ一致キーワードの拡張性も高まっているように思われるのでこちらが意図していない検索語句も拾ってきているので都度確認しつつ除外キーワードを登録するのがおすすめです。
以下の記事に除外キーワードの設定方法について解説していますので参照ください。
関連記事:Google広告の検索語句(クエリ)とは?キーワードとの違いと活用法を徹底解説
2. Google広告の見出しや説明文にキーワードを入れる
クリック率を上げる方法の2つ目として「見出しや説明文の広告文にキーワードを入れる」を挙げます。
キーワードを見出しや説明文に入れることによりクリック率が上がります。
自分の検索した語句が広告に含まれていることによってよりユーザーは自分ごとと感じクリック率が上がる傾向にあります。
レスポンシブ検索広告にメインのキーワードを含む見出しや説明文を盛り込むのをおすすめです。
3.キーワード挿入機能を入れる
先程の見出しや説明文にキーワードを入れると関連するのですが、Google広告には「キーワード挿入機能」というものがあります。
簡単に言うと「検索した語句を見出しや説明文に入れることができる」機能です。
見出しに関しては全角15文字、半角30文字までなのでこれらの文字数を超えると表示できません。
キーワード挿入機能の登録方法
キーワード挿入機能はレスポンシブ検索広告の見出しや説明文の入力欄で「 { なみかっこ」を入力するとメニューが表示されます。
先程説明したように全角15文字以上だとキーワード挿入機能は機能しません。
そういった場合に表示する見出しを作成しておきます。全角15文字以上ならデフォルトの見出しが表示されるようになります。
キーワード挿入機能を使うことによって自身が検索した語句が広告に表示されるのでクリック率向上が見込めます。
キーワード挿入機能のデフォルトのキーワードは広告グループに沿った抽象度の高いキーワードがおすすめです。
例:キリンビールという広告グループがあるとします。広告グループの中のキーワードで「一番搾り」キリンラガー」「晴れ風」といったキーワードを登録しているとします。
この場合のキーワード挿入機能のデフォルトの語句は具体的な商品名ではなく「キリンビール」としておくのがセオリーかなと思います。
4.地域の挿入機能を使う
レスポンシブ検索広告にはキーワード挿入機能以外にも「地域の挿入機能」というものがあります。
これを使うことにより動的に検索した地域を特定して広告文に反映することができます。
検索したユーザーの地域が広告分に含まれていることによりクリック率アップが見込めます。
地域の挿入機能を登録する
見出しや説明文の入力欄でキーワード挿入機能と同じように「 { なみかっこ」を入力するとメニューが表示されます。
- 表示する住所の形式
- デフォルトのテキストを入力
- 設定を適用させる
表示する住所の形式は市区町村や都道府県、国で切り替えることができます。
市区町村の表示形式の場合は横浜市で位置情報が読み込まれていて広告を検索したら広告文に「横浜市」と表示されます。
地域に密着したサービスやエリアに関連する広告に有効な機能です。
全国対応のサービスでも地域挿入で自分ごと感を持ってもらってクリック率は上がる傾向が高いです。
5.広告カスタマイザを使う
広告カスタマイザはキーワードごとに見出しや説明文を変えることができる機能です。
Google広告のレスポンシブ検索広告は見出しが最大15個となります。
運用している広告グループによってはキーワード数も多い場合もあるでしょう。
検索するキーワードによって表示する広告のニュアンスも変わってくるのでキーワードごとに広告カスタマイザを使って見出しや説明文を変えることにより訴求力が高まりクリック率が上がります。
6.広告のランクを上げる
SEOでも同じですがGoogle広告も上位に表示されればクリック率は高くなる傾向にあります。
Google検索広告は「広告ランク」を基準に順位が決まります。
広告ランクは以下の6つの要素で決まります。
- 入札単価 – 入札単価とは、広告のクリック 1 回に対して最大でいくらまで支払ってもいいか、広告主様が指定したものです。通常、最終的な支払い金額はこれより少なくなります。入札単価はいつでも変更できます。
- 広告とランディング ページの品質 – 広告とそのリンク先のウェブサイトがユーザーにとってどれほど有用で関連性が高いものであるかも判断基準となります。広告の品質評価の結果は、品質スコアでわかります。品質スコアは Google 広告アカウントで確認できます。
- 広告ランクの下限値 – 常に質の高い広告を掲載するため、表示される広告が満たすべき最低限の基準を定めています。
- オークションにおける競争力 – 同じ順位で競合する 2 つの広告の広告ランクが同じ場合、それぞれが同じ順位を獲得する確率はほぼ同じになります。2 つの広告主の広告間の広告ランクの差が大きくなると、ランクの高い広告は勝つ確率は高くなりますが、その位置を獲得する確率を高くするために高いクリック単価を支払うこともあります。
- ユーザーが検索に至った背景(コンテキスト)– 広告オークションにおいてコンテキストは重要な要素です。広告ランクを算出する際は、ユーザーが入力した検索キーワード、検索時のユーザーの所在地、使用しているデバイス(例: モバイル デバイスやパソコン)、検索した時刻、検索語句の性質、同じページに表示される他の広告と検索結果をはじめ、さまざまなユーザー シグナルと属性が考慮されます。
- 広告アセットやその他の広告フォーマットの効果 – 広告を作成する際は、サイト内の特定のページへのリンクや電話番号など、特定の情報を広告に追加できます。この機能を「広告アセット」と呼びます。Google 広告では、広告主様が追加したアセットやその他の広告フォーマットの見込み効果も考慮されます。
引用:https://support.google.com/google-ads/answer/1722122?hl=ja
広告が上位に表示されればクリック率も上がりやすくなります。
運用側でコントロールできるものが「入札単価」「広告とランディング ページの品質」「広告アセットやその他の広告フォーマットの効果」となります。
以下の記事に品質スコアについて関する記事もございます。
7.広告の有効性を高める
前項の広告ランクに関連する話になりますが、レスポンシブ検索広告の有効性を高めることにより広告ランクアップも期待できます。
広告の有効性の値は「未完了」、「低い」、「平均的」、「高い」、「非常に高い」と評価されます。
現状の広告の有効性が「低い」、「平均的」、「高い」であれば有効性を高めることによりクリック率を上げることができます。
また、広告の有効性が高まればインプレッション増加も見込めるので現在の有効性があまり高くなければ改善施策としておすすめします。
以下の記事にて広告の有効性を高める方法を解説しています。
8.ABテストを行う
クリック率を上げるにしても現状の広告の見出しや説明文、表示オプションなどを比較するにはABテストがおすすめです。
既存のキャンペーンと新しい設定のキャンペーンを50%ずつ配信してどちらのキャンペーンがクリック率が高くなるか検証することが可能です。
ABテストを行うにはそれなりの母数が必要となります。クリック数でも少なくても1000件以上はほしいところです。
1ヶ月でクリック数が1000件に満たない場合はABテストの期間を長く行うなどの調整が必要になるかと思われます。
ABテストの方法については、ABテストで広告の効果アップ!?やり方を解説の記事でも説明しています。
9.Chat GPTなどのAIを使う
今話題のAIサービスChat GPTを使ってクリック率を上げることもできます。
方法はいろいろありますが、例として
あなたはGoogle広告の運用者です。 キーワード「ラーメン おすすめ」に基づいてクリックされるレスポンシブ検索広告の見出しを10個生成してください。
・見出しは全角15文字以内
というプロンプトで出力します。
という感じに見出しを10個考えてくれます。
すべて使えるかどうかは広告しだいですが、自分で0から10個考えるよりもすぐに見出しを作成してくれます。
そこから気になるものをそのまま使うなり、自分で編集して使うなりすればクリック率が増えるかもしれません。
前項のABテストと組み合わせてテストするとクリック率の改善が見込めるのではないでしょうか。
今回は見出しでしたが、説明文などにも応用できるのではないでしょうか。
Chat GPT以外にもGoogleのbardを含めAIツールはあるので色々試してみるのもいいと思います。
Google広告のクリック率を上げる方法のまとめ
この記事ではGoogle広告のクリック率を上げる方法を紹介してきました。
クリック率は以下のように算出されます。
(広告のクリック数 / 広告の表示回数) × 100
クリック率を上げる内容は以下のとおりです。
- 除外キーワードを正しく設定する
- 見出しや説明文にキーワードを入れる
- キーワード挿入機能を使う
- 地域の挿入機能を使う
- 広告カスタマイザを使う
- 広告の品質を上げる
- レスポンシブ検索広告の有効性を高める
- ABテストを行う
- Chat GPTなどのAIを活用する
クリック率はGoogle検索広告においても重要な1つの指標です。
うまく改善して広告の効果をアップさせましょう。
クリック率が上がっても表示回数(インプレッション)が少なければボトルネックとなり効果アップが期待できません。
以下の記事では表示回数を増やす方法を紹介しています。
クリック率アップに関するよくある質問
- 今回紹介された方法以外にもクリック率を上げる方法はありますか?
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今回紹介した以外の方法ですと、デバイス、時間帯、性別、年齢やオーディエンスセグメント、地域でクリック率が低く効果が期待できないような部分を除外すれば改善できる場合もあります。しかし、除外することによって本来獲得できたコンバージョンもなくなる場合もあるのでリサーチ・検討をしっかり行ったうえで行うことをおすすめします。あとは広告表示オプションも改善できます。
広告グループ内に広告が複数ある場合、クリック率が低いものは停止するのも手です。しかし、クリック率が低くてもコンバージョン率が他の広告と比べて高ければ停止するのはやめましょう。
- CTR(クリック率)は高い方がいいですか?
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基本的にはCTR(クリック率)が高い方がいいですが、CTRが高くてもコンバージョン率が低い場合は広告の内容と実際のランディングページ(LP)がユーザーが思っていたものと違う場合があります。
CTRが高くてコンバージョン率が低い場合はLP側を改善するといいでしょう。